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メンバーの声

日常の活動

ファミリーでの活動

パパも「なるほど〜」 秋田より

渡邊 暁 / 秋田県

職場の研修で、海外でのホームステイという企画があった。戸惑いながらも参加することになった初めての海外、ニュージーランドでは、日中は現地大学での英語講座、夜は地元の家庭で英語漬けという暮らしが待っていた。もともと英語は好きでも得意でもなかったが、そこで自分の中に変化が起こった。相手のいうことが何となくわかるようになってくると、それに返答しようと自分の口から英語がこぼれてくる。そのつたない英語を必死に聞き取ってくれようとするホストファミリーの表情が嬉しく、自分の中で再び英語がこぼれてくるようになった。

そして、それまでは自分だけが異国の地で浮き上がっている感覚だったのだが「ことばが通じる」という気持ちが芽生えただけで、周囲が自分を受け入れてくれたような気分になって、風景まで違って見えてくる。

ホームステイを終える頃、大学教授を目指していたホストパパに「今度の論文が採用されたらどこで仕事をするの?」と聞いてみた。少し考えた後、彼は「Around the World!」と応えた。自分は衝撃を受けた。確かにことばができれば世界中どこでも生活できるのだ。

帰国後、自宅に戻ると、そこは可愛いわが子が待つ日常生活。この子たちの将来を考えて、いくつかの英会話教室での体験を経て数ヵ月・・・。実姉からヒッポがあるよ、と勧められたのがそもそもの出会いで、ヒッポの体験会に参加してみた。「ん?何だ?何だ?」が最初の感想。歌い、踊り、走り回るこどもと大人。皆わけのわからない外国のことばを交わし笑っている。「英語はどこ?」?だらけのスタートだった。

ヒッポの活動をとりあえず体験するうちに、?だらけのSADA(歌や踊り)を覚え、つまりこれはアイスブレークの役目を果たしているとわかり「なるほど、なるほど」。相変わらずうまくできない「メタ活」では、必死に皆の口元をみて真似る。お話タイムでは、それぞれ自分の好きな言語で話していくから、自分の知らない言語でも「あぁ、○○語ではそういうのか」という気持ちを持てる。「なるほど、なるほど」。自分も真似をして、たどたどしく話そうとすると、みんな一生懸命の表情でこちらを見て応援してくれる。わかろうとしてくれる。ん?これって・・・?「そうだ、これは自分の海外研修での体験と同じだ」こぼれおちる英語を必死に聞き取ってくれようとするホストファミリーに応え、話そうとする自分。「これはかなりいいかも!」ファミリーに、家族のような暖かさを実感した。

外国の人と互いに英語で話すことは便利で簡単だろう。でも、自分の母語で話しかけられたらどうだろう。互いの心の距離がもっと縮まるはずだ。そのことで、どんな異国の地にも溶け込み暮らしていけるのではないか。そんな未来を家族で描けるのがヒッポの活動だと思う。「グラシアス!」とスペイン語で投げかけると「デナダ(どういたしまして)」と笑顔で返す3歳の息子を見ると、そんなふうに思えてくる。
「ヒッポ、いっすべ?」「んだすな!」

写真・・・桐子ちゃん6歳、俊平くん3歳、結平くん1歳(右から)と奥さんの聡子さん