日常の活動
ファミリーでの活動
ことばは、やっぱり波だった!
笹森由利子/埼玉県・マリキタF
かわら版 / 第19号2015.03
私は6年前に、一人でヒッポをはじめた。ヒッポでは「赤ちゃんのように」と言われるが、自分にも近くにも赤ちゃんがいなかったし、今までことばは外国語として勉強してきたので、なかなか「勉強」から抜けられなかった。CDを流しておけばいいと言われても、内心はちゃんと聞かなければいけないと思っていたし、ちゃんとマネができなければいけないと思っていた。ヒッポは楽しかったけれど、やっていることがよくわかっていなかった。
しばらくして、こどもが生まれ、ファミリーで話を聞いたり、べべフィールドという赤ちゃん連れのお母さんたちが集まる会で聞いてもらったりするうちに、こういうことなのか、と気づくことが増えた。息子の駿(2歳10ヵ月)は、家ではおしゃべりなのだが、外ではおとなしくなって、ファミリーで自分の番が回ってきても、「イヤ」と言ってしまい、ずっと話そうとしなかった。それが、1ヵ月半くらい前に、ほかのファミリーに遊びに行き、そこで同じくらいのこどもたちがマイクを持って話しているのに刺激を受けたのか、突然「オラ!」とスペイン語で自己紹介をするようになった。自己紹介をするようになると、次はCDの英語のフレーズが口から出てきた。英語ができたと思ったら、次は中国語・・・。この1ヵ月で多言語が爆発している。駿は0歳のときからファミリーに出てはいたので、2年半くらいの長いインプットの時期があった。「オラ」と挨拶から始まって、最後の「ムチョグスト(どうぞよろしく)」まで、全部言った。でも、かなりの大波。今まで自己紹介を「ん~~~~~~」と大波で言うのはあまり聞いたことがなかったので、わが子ながら衝撃だった。一つ一つのことばは意味を成す音になってるように思えないのに、私やファミリーのみんなには何を言ってるか全部わかる。
音が聞こえる環境があれば、音が自然にたまっていく。それが、何かのきっかけで出てくると、もう話せているんだ。駿のスペイン語の自己紹介を聞いて、それが実感としてわかった。最初「ん~~~~~~イッポルミー」と言っていた駿は、私が「エスポーソ 真 イッホ 駿(私の家族は夫の真と息子の駿です)」と言うのを聞いて「ん~エスポーソ 真 イッホ お母さん イッポルミー(夫の真と息子のお母さんとぼく)」になっていった。ヒッポをやっていなかったら、こどもにちゃんと教えなければと思っていたと思う。「ん~~~~~」をことばだとは気づかなかったと思うし、それをすごい!とは思えなかったと思う。ヒッポを始めて良かった!一緒に楽しめるって素敵!私と駿だけではない。ファミリーで駿が自己紹介をしたり、歌ったりするたびに「駿くん、すごーい!」と褒めてくれる仲間がいる。本当にありがたいと思う。